改めて経済成長の妨げの要因を考える

いま日本経済は、内外にわたって、多くの重大問題の集中的台頭に直而している。たとえば、国際的には、
①国際収支の大幅黒字の解決を円再切上げの外圧に従うか、国内対策でやるかの問題、
②日本商品の急速な対外進出、その圧迫で存立を脅かされつつある先進諸国、特にアメリカに先導せられつつある日貨排斥運動――日本品に対する自国産業保護主義またはセーフガード規定論の台頭問題、
③タイに先駆的に現われた日本資本の進出に対する国民的反感または警戒の問題、
④わが国自身の各種輸入制限に対する各国の自由化要求の強化(輸入制限品目の撤廃、関税率の低下、資本の自由化等)等々を数えうる。

また国内的には、①産業公害と国民の環境整備問題、②人口の過疎対過密問題、③福祉施設と財政問題、④生産性上昇の鈍化と賃金問題、⑤週休二日制問題、⑥住宅問題、⑦土地問題、⑧物価問題、⑨当面の景気問題、⑩超金融緩和問題、等々を数えうる。ところで、これら内外の諸問題は、それぞれが独立した個々の問題ではなく、実は、わが経済の発達段階が革命的に一新した(その具体的説明は、以下で改めてふれる) ことに基づく同根の問題であり、波紋であり、摩擦である。すなわち、これらを個々独立した問題としてとらえるべきではないのである。事実、この立場において問題を総合的に把握し、その歴史的意味を吟味して、その対策を総合的に立てなければ、適切な前向きの解決は生まれない性格のものである。

もっとも、根本の経済基盤に大きな変革のない場合には、これらの問題を個々独立に取り上げても、矛盾はそれほど顕著ではないが、現時のごとく、わが経済の発達段階に革命的変化を生じ、それが基因となって、もろもろの内外の大問題が生じた場合には、これに即応した総合的吟味と対策が特に緊要となるわけである。しかるに、いまそれらがマスコミにあらわれているものをみるに、これをあたかも個々独立した問題であるかのような取扱い方が案外に多いように見受けられる。

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